あしたのあなたへ

武蔵野学院大学陸上競技部 笠間三四郎監督

 目標の向こう側へ。

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モチベーションを上げるために

 社会人として競技を行っていた晩年に、指導者になるお話をいただきました。当時、私は30歳。まだ現役でやっていける自信もあったのですが、当時の監督に、「指導者になるのは簡単なことじゃない。声をかけてもらえるなら、その途に進んだ方がいい」というアドバイスをもらい、指導者となりました。その後、社会人の女子の陸上競技部のコーチや監督を経験。その後、大学の男子陸上部の監督を経て、本学の陸上競技部の監督となりました。

 私の指導者としてのモットーは「型にはめない」ことです。たとえば、現在の陸上競技部は大学駅伝を目指して、指導しています。しかし、必ずしも長距離が得意な選手ばかりがいるわけではありません。800mや1500mが得意な選手もいます。彼らにはまず、その距離で自分が納得できる成績が出せるように指導しています。そして、そこで結果が出た時に、新たな距離や競技の目標を設定するようにしています。それが彼らの能力を引き出すのに有効だと思っています。それは私の高校時代の経験から得た答えでもあります。

 私は高校で本格的に陸上競技を始めました。しかし、1年の頃は特に目標もなく、成績も今一つでした。ところが先輩たちが大きな大会に参加する様子を見て、自分も出場したいと思うようになりました。恥ずかしい話ですが、当時はインターハイや国体などの大会の存在も知りませんでした。先輩たちが参加している大会がそれらの大会であることを知り、そこに出場することが私の目標となりました。それからは本気で取り組み、3年生の国体では4位、全国高校駅伝では1区を走って区間2位の成績を収めました。

 それから私は身近なところに目標を持つことを心掛けるようになりました。大学では5000mや10000mが専門でしたが、4年間箱根駅伝にも出場し、上位に食い込む結果を残すことができました。

 目標を持つことが大切なのは陸上競技やスポーツに限ったことではないと思うのです。身近なところに目標を持つと、それに到達しようと努力します。その努力の過程で、新たな目標が見えてきます。そしてさらに努力を重ねるモチベーションがわいてきます。そうすると最初の目標よりも随分と高い目標を目指していることに気が付きます。

 目標の先には新たな目標が生まれるものです。

 最初から高い目標である必要はないのです。達成する過程で気付くことやわかることが出てきます。そうすると自然に次の目標が自分の中で設定できるようになります。焦らずに進めば必ず高みに到達できます。皆さんにはそんな経験を大学時代に味わってもらいたいと思っています。