あしたのあなたへ

武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部 佐々木隆教授

 オタクになろう。

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伝えたい思い。

 私の元々の専門はシェイスクピアの日本における受容についての研究です。簡単に言うと、シェイスクピア作品というイギリスで生まれた文学作品が日本でどのように受け止められているのかということを、理論的に研究することです。たとえば、「ハムレット」はイギリスでは復讐劇としてとらえられています。そこで日本人は赤穂浪士を思い浮かべることでしょう。このように設定や表現は違っていても、人間であれば同じような感情を抱き、異なる文化の中で生まれた作品を、自分たちの文化の中で受け入れているのです。

 そして、私が今、研究テーマとしているのが、日本のマンガやアニメです。日本の文化であるマンガやアニメが外国で受け入れられている。しかも日本政府は「Cool Japan」という政策を打ち出し、積極的に文化輸出をする、その重要なアイテムとしてマンガやアニメを使うことにしたのです。そこで日本の文化がどのように外国で受け止められているのかを研究しています。

 この研究の過程で、面白いことに気付きました。『のだめカンタービレ』というマンガに「デパ地下で弁当を買おう」というセリフがあったのです。これを直訳するとデパートの地下で弁当を買うことになる。しかし、その国のデパートが食品売り場になっていることが一般的で、そこでケータリングの食品が売っているのかどうかはわかりません。下手をすると地下駐車場のようなところでケータリングを売っている場面を想像するかもしれない。つまり、文化を輸出するということは自国の文化と受け入れる国の文化の差を認識することなのです。

 また、外国語を習得する時に言葉が難しい、文法がわからないとしり込みしている人をよく見ます。でも、大切なことは「何を伝えるか」ということです。カタコトであっても伝えたいという思いが強ければ、相手に伝わるものです。ですから、外国語を習得する際に、「自分はこれを伝えたいんだ!」ということを見つけることが近道だと思います。それがゲームやアニメについてでもいいんです。オタクはポジティブに見られない傾向がありますが、オタクになるほどそのことが好きになれば伝えたいという思いも強く外国語を習得するためのモチベーションになるはずです。ですから、大学の4年間で自分が伝えたいことを見つけ、それを伝える手段としての外国語の習得を目指してはいかがでしょうか。

 難しく考えることはないんです!